サマーウォーズのBDゲットです。
約半年振りに見ますが、やっぱり感動しました。
これむしろ2回目見た方が感動した
映画館でなんとなく覚えてるシーンをいざしっかり見直すと、なまじ先が分かってるせいで不覚にも涙腺が(ノ▽`;)
サマーウォーズBD届きました
感動したのでたまには真面目に感想書きます。
買ってまず見るまで内容にふれたくない方は見てからがいいかも?

同じ細川監督とそのスタッフで制作された前作「時をかける少女」では『切なくも前向きな「時を越える恋」』を描いたわけですが、今回の「サマーウォーズ」は『家族を含めたいろんな「繋がり」』が描かれてます。

一人っ子で自宅ではほぼ一人の生活をしている主人公の小磯健二が見る陣内(じんのうち)家の大家族っぷりは、現代の大多数の核家族の人が見るのと同じ感覚ですね。
ドタバタしていて忙しなく、最初は戸惑いつつも「なんかいいなぁ〜この家族」という雰囲気。
健二と歳が近い人は夏休みに大家族の家にお泊り感覚で疑似体験って感じでしょうし、歳が離れている人でも、規模は違えど昔はこんな家族があったなぁと懐かしめるのではないでしょうか。

そんな大家族を束ねるのが陣内栄おばあちゃん。
自分の中では「サマーウォーズ」という作品の中で、栄おばあちゃんの存在は一番印象深いです。
怒ると怖いけど、正しいことを押し通す芯の強さと包容力を持ったやさしいキャラクターでした。
自分にもこんなおばあちゃんがいてくれたらと思った人は多いのではないでしょうか。

たとえ夏希の嘘があったとしても、最終的には「私の目に狂いはない」が本当だったわけですね。
富司純子さん演じるお声がまた良い味出してます。
栄おばあちゃんの一言一言に無駄がなくて重みがある。

そんな栄おばあちゃんは人柄と昔から築きた人脈で一時的にせよラブマシーンによる混乱を休息させるわけですが、ここでも人脈という「繋がり」を大事にしていた栄おばあちゃんの存在の凄さが垣間見れます。

そしてその夜の健二との花札のシーン。
最初「サマーウォーズ」を見終わったとき、あの花札のシーンの会話をもっとよく聞いとけばよかったと軽く後悔したほどです。
健二の表情を見るに、無償の信頼は健二の心にどれだけ響いたのでしょうね。
あの笑顔は最高ですね。

それ故に次の日の早朝のシーン。
昨年初めに一緒に住んでいた祖母が他界したせいでしょうか、あのシーンにはフラッシュバックする感覚が強烈に残ります。
いろいろ落ち着いてきたその年の夏にサマーウォーズを見れたのは感動がより強まった意味でとても良かったと思います。

ストーリー以外では作画等に関しても静と動のシーンのメリハリがはっきりしていましたね。
現実世界が静で、仮想現実のOZのシーンは動って感じ。
陣内家が集まるシーンではそれぞれのキャラの動きが細かく滑らかに描かれてて妥協はしていない感が出てます。
一人一人が活き活きと描かれてますよね。
コミカルな表情や感情の表し方が実写ではなかなか表現できないと思います。
その辺はアニメーションの強みですね。
OZ関連の見所はなんと言ってもキングカズマのアクションと花札対決でしょう。
スピード感と躍動的な動きが見事な描写で描かれてました。
サマーウォーズがアクション映画とも言えるのはOZでの戦闘シーンがあるからでしょうね。

まだこの家族と出会って数日の健二ですが、それでも「自分を必要としてくれる大家族」の存在は、数学オリンピック代表落選で自信を失っていた自分にものすごい後押しになったわけです。

クライマックスへ向けてのところでと家族へ向けた栄おばあちゃんの手紙。
「いちばんいけないのはおなかがすいていることと、独りでいることだから・・・」
この作品で一番の名言だと思います。(最初「一番いけないのはお腹が空いていることと、一人でいることだから」って書くのかと思ったら、初回限定特典のアートブックには「いちばんいけないのはおなかがすいていることと、独りでいることだから」と書いてあるので、この書き方が正式っぽいですね。一人ではなく、独りってところに納得。)
この言葉はまさに家族関係に一番大事なことではないでしょうか。
みんなが集まって一緒にご飯を食べる』これが昔から誰もが想い描く「家族」ってもんですよね。
つまり、栄おばあちゃんが一番いけないと思っていることは『家族でなくなること、繋がりがなくなること』なんですね。
陣内侘助が最初現れたときに、栄おばあちゃんがご飯のことをまず聞いたのはこの言葉があったからなんだと、この手紙の内容を知って分かるわけです。
後から気づくことなので、BDで見直してみるとなるほどね〜と感心します。

そこから先の家族総出の反抗劇の心躍る感覚は言わずもがな。
手に汗握る花札戦と最大のピンチ。
そのとき起こった「繋がりの奇跡」と大逆転劇は目が離せません。
あと忘れちゃならないのが健二の「よろしくおねがいしまぁ〜す!」のとこ。
どんな感覚なのかわからない分、凄さがにじみ出てますw
キングカズマの一撃は今までの鬱憤をスカッとさせるもので見ていて気持ちが良かった。

最後のハッピーバースディのシーンと栄おばあちゃんの笑顔はまさに「いろいろあったけど、良かったね」でした。

そしてEDの山下達郎の「僕らの夏の夢」へと入っていくのですが、映画の余韻を感じつつ、見終わった後の緊張が解されていく感じで締めてくれる曲なので、これまた好印象。

ほぼ同時公開だった「ヱヴァ:破」が4部作からなる「大作」なら、サマーウォーズは家族の団結を見ていて気持ちの良い「名作」。

もちろん「アニメの話なんだから現実の家族ではそんなにうまくいくわけない」という意見もありますが、大事なのは、そういった「繋がり」を軽視せず、常に心がけることなんでしょうね。
当たり前のことなんですけど、昨今ではその「繋がり」が絶たれたために起きる事件事故もあるわけで・・・。
当たり前だからこそ大事なんですね。

なぁ〜にむずかゆいこと言ってんだ〜?wって感じですが、「サマーウォーズ」はそうゆう気分になる作品でした。

「時をかける少女」も良かったですし、「サマーウォーズ」作ったスタッフでジブリみたいにブランド化してほしい。
ジブリは「大人も子供も楽しめるファンタジー」ブランドとして、細川監督のブランドでは「現代視点のSF青春体験」・・・みたいな(ジャンルは特定しなくてもいいけど・・・)。

べた褒めな感想になってしまいましたが、そのぐらい自分の中では感慨深くもあり、自信を持って薦められる作品です。
普段薦めることはないですが、時間があるときにでも家族にも見せたい。
願わくば、細川監督には「サマーウォーズ」を超える次回作を期待しつつ、もう一回「サマーウォーズ」を見直してきますw

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