2018年8月11日(土)午前10時40分過ぎ頃、鷲宮神社の鳥居が倒壊しました。
幸いケガ人はおらず、物損のみだったとのこと。
既に午後には解体撤去が行われ今は鳥居のない状態になっています。
寝耳に水な出来事でしたが、一報を聞いて自分も記録を残すため現地へ向かいました。
20180811鳥居倒壊

当日は撮影や聞き込みをしながら得られた情報を随時ツイートしましたので、今回は流れやすいタイムラインをまとめようと思います。

当日、自分は先日の八坂祭で撮った写真をフォトブックにするべく写真選別をしていたのですが、11時頃鳥居倒壊の一報が届きました。
驚きましたが古い建築物ですし、鳥居の古さを意識してから倒れなければいいなぁ・・・と、可能性は漠然とですが感じていましたので悲しく感じるより、こんな一生に一度あるかないかの状況を記録に残さないと・・・という気持ちの方が強かったです。

すぐに現場に向かって取り急ぎ現状を把握と撮影。
20180811鳥居倒壊2
神社関係者と、恐らく参拝に来ていた人、あと近所の人が様子を見てました。
神社の人たちはほとんど茫然とした感じ。まぁそうですよね^^;

神社の人に簡単に話を聞いて一報を流しました。

根元はかなり傷んでいる様子でした。痛んでいたのはちょうど銅板で囲って補強していた部分の内側でした。
20180811鳥居倒壊3
銅板で囲っていない部分はしっかりしていて頑丈でしたが、根元の部分はポロポロと手で取れるぐらいのボロボロ状態。
鳥居を支える石段のところにはハチの巣が落ちてました。
20180811鳥居倒壊4
倒れたときに中から落ちたようです。
中にハチの巣があったと言ってました。
その後、地元の工務店さんの人が様子を見に来て、根元の部分を確認。
銅板で囲んでいた部分が破損しているので、恐らく水が銅板と鳥居の隙間に長年染み込み、蒸発しにくくなっていた湿気が腐らせてしまったのでは・・・とのことでした。
シロアリが食べたような部分も見受けられますし、恐らく銅板で多湿になっていたところにシロアリが住み着き、内部を食い散らかした後、その隙間にハチが巣を作った・・・という感じでしょうか。

それと、物損に関してですが、車が一台、後部のトランク部分が倒れてきた鳥居でつぶれてました。
20180811鳥居倒壊5
参拝を終えて駐車場から出ようとして大酉茶屋前まで来たところで車の前方が浮き上がる感覚になり、車外に出てみたらこんな感じだったとのこと。
20180811鳥居倒壊6
確かに鳥居の屋根の端辺りに割れたテールランプの破片が落ちてました。
少しタイミングがずれていたら怖いですが、ケガもない様子で良かった。
警察の現場検証も済み、その後レッカー車で運ばれてました。

その間も情報を知った人達がひっきりなしに現場を訪れていて、その流れは自分が夕方離脱するまで途切れませんでした。
各新聞社さんやNHKやTBSのカメラも来ていて、見に来た人達に取材してました。

それにしてもこの日も暑かった;
何故に今年は自分が長時間外へ出かける日は猛暑で、1日引き込もる日は気温が下がるのだろうか・・・。
午後になると近所の建設会社さんがユンボ乗せて登場。
鳥居の解体工事が始まりました。
鳥居の解体の様子なんてめったに見れるもんじゃないので、炎天下でしたがこちらも記録に残すため撮影続行。
突発的に倒れましたし、参拝客の安全確保が優先なので、作業は急ピッチでした。
柱の見えない部分とか、もはや杭のようなものすごい長さの釘とか、普段見れない貴重な光景でした。
解体が進むにつれてアスファルトにへこみがあるのが分かります。
鳥居の角がアスファルトの路面にめり込んだようです。
木材とはいえ、この質量と角の部分が倒れてきたら固いアスファルトでもこうなるわけですね。
端ですら車がへこむぐらいですから、人に当たったらケガでは済まないですね・・・。

解体中も、LINEニュース等で見た知り合いが散発的にですが何人も訪れてました。
その中で「Yahooで1位になってるよ!」と言われたので試しに調べてみると・・・
何年も前ですが、鷲宮駅に置かれていた「らき☆すた神輿」が突風で倒れて破損した・・・とか、神社の敷地内でボヤ騒ぎがあったりしたときもニュースになっていましたけど、今回も少し話題になるぐらいかと思ったのですが、高校野球を抜いてまさか1位になるほどの注目度とは・・・。

撤去作業の終盤では、鳥居を支えていた柱の石段(?)に入っていた杭を抜くところが見れました。
ユンボでも限界ギリギリの高さまで上げても抜けるか抜けないかだったので、見ている人たちが固唾をのんで見守っていました。
そもそもユンボとかない時代の杭ですよねこれ・・・。
昔の人の仕事っぷり凄い。

解体作業も終わったので、改めていつも定位置から撮影。
ついでに以前撮った光景と比較。
去年の8月5日に撮ったものと比較すると、天気も同じような感じだったので、間違え探しできそうなぐらい同じように撮れましたw

ちなみに今回倒れた鳥居は明治後期(明治30年ごろ?)に建てられたらしいです。
もう120年ぐらい前のものなんですね。
その間に補強等の工事は何度か行われたみたい(実際に鳥居をよく見ると痛んだと思われるところを交換した跡もあります)ですが、銅板補強で見えない部分が浸食されていたという感じでしょうか。
補強してあるところは大丈夫と思ってしまう心理・・・。
7月31日の夏越祭の時はグラついてるとかそんな感じはなかったのですけどねぇ・・・。
やはり台風の強風には耐えたものの、ダメージを受けていたということでしょうか。

夕方になると神社の人たちが念のためロープで立ち入り禁止にしていました。
なかなかこんな立て看板の文言を書く機会なんてないでしょうねぇ。
そんな様子を撮っていると猫様が1匹・・・2匹といつもの石柱付近に現れました。
石柱の囲い部分も少し崩れてしまったので、違和感でもあるのか、マッタリせずにそわそわした感じでした。そのうち1匹は茶屋の入り口付近で寝転がってましたけどねw
折角なので良い位置に立ってくれたので鳥居(がないけど)前で何枚か頂きました!
帰りに寄り道したあと、車のテレビつけた際、NHKのテレビカメラが来ていたので、もしやと思って待機してましたが、こんな感じで放送されてました。
出だしの鷲宮神社の説明で、『女子高生のたちの日常を描いた人気アニメ「らき☆すた」舞台のモデル』と表記されるあたり、関東最古というよりすっかりそっちの方が代名詞になってる感じですねぇ。

あと、『車と鳥居がぶつかったという通報』・・・と出てますが、これだと車からぶつかったように聞こえなくもないですけど、実際は「倒れてきた鳥居に車の後部がぶつかった」という意味なので、人によっては勘違いしそうですね。
ブログもそうですけど、文字でニュアンスを伝えるって難しい・・・。

それと、ネットでは鳥居再建のために「寄付を募ろう」 とか「寄付したい」という声が見受けられますが、急いで神社に問い合わせ等はせず、とりあえず一旦落ち着きましょう。急いては事を仕損じます。
再建するにしてもまだ先の話ですし、神社側もまずは落ち着いた後、氏子さんとかお偉いさんと話し合い、そこから再建のための委員会のような組織を作って、ようやくそこで寄付を募るかどうか・・・というところになると思います。
寄付を募るにしても正式な窓口もできるでしょうし、それができたら私のツイッターでも告知します。

神社が無くなるわけでもないですし、さすがに鳥居がない関東最古の神社・・・というままにはしないでしょうから、今はとりあえず見守る感じで。

公務の合間を縫ってなのか、市長や議長も現場を見に来てました。
他にも見知った人が必ず誰かいるぐらい入れ替わり立ち代わり来てました。
近所の人たちも「LINEニュースに出てたけど・・・」とか、「孫がインターネットで鳥居が倒れたって言ってたから・・・」と様子を見に来る人も沢山。
総じて皆言っていたのが「けが人出なくて良かったね」でした。

インタビューとかもされましたけど「鳥居倒壊はショックでした?」と聞かれて改めて思いましたが、あまりマイナスな感覚は自分にはありませんでした。
勿論、古いものを残したいと思う感覚はありますし、できるだけ残った方がいいのも確かです。
ただ、風雨にさらされるものがずっと同じものとして続くわけではないですし、自分としては倒れてしまったのであれば仕方ない、それよりは前向きに考えて再建後は綺麗な朱色で塗られるんだろうか・・・とか、写真映えするかなぁ・・・とか、いろんな角度から撮っておこう・・・とか、気の早い話ですが楽しみな気持ちの方がすでにあるんですよね。

なんにせよ、今は気長に待つとします(*´ω`)