投票してきた日本国民として書いとくべきだと思って、今回の選挙のことを自民派でも民主派でもない客観的な視点で真面目に書きます(でもどちらかと言うとこれから与党になる民主にとっては辛口意見かも・・・)。
結構ネガティブなこと書くのであまり気分のいい内容ではないですが、たまにはってことでスルーしてください。
政治ネタなんてつまらないと思う方はこの続きは読まない方がいいです。
今回の結果を見るに、ほとんどの人は「民主はそんなに好きってわけじゃないけど、自民がダメ過ぎるので、反省してくれという意味で民主に入れた」という感覚だと思います。
要するに消去法に近い選択ですね。
あとは「政権を交代」という『自民がダメなら交代すればいいんだ』という単純で分かりやすい解決策。
それにメディアの事前アンケート等で「民主有利」という雰囲気が国内全体を覆ったことが要因かと。

4年前の郵政選挙のときも、小泉さんの「何かやってくれるんじゃないか」という雰囲気と、「郵政民営化かそうではないのか」という分かりやすいキャッチフレーズ、あとはメディアの小泉イケイケムードで大勝利でした。

政党は違えど、似ていますね・・・・。

ただ、一つ言えることは、民主に変わっても劇的によくなることは無いってことです。
民主に変わったから世界経済が変わるなんて事もありえません。
脳みそが変わっても、手足がボロボロではほとんど意味が無いようなものです。
アメリカではオバマ政権に変わったってことで明るい未来があるような雰囲気でしたが、今現在は支持率が低下していて、目に見えて経済が良くなったというものはほとんどありません。
日本での政権交代もほぼ同様な感じになるでしょう。
アメリカのような2大政党制であれば定期的に政権が交代するのが健全な民主主義の形ですが、今回日本の民主圧勝による議席バランスの崩壊は健全とは言えずむしろ悪化してます。

日本の理想的な政権運営は、自浄による党内健全化した自民が与党で、その自民に可能な限り近い議席を確保した野党・・・・と言うのが理想です。
自民は培ってきた政権運用ノウハウと経験・人脈があります。
今の驕っていた自民ではこれらを活かせませんが、健全な政党になればこれほど優秀な党は今の日本には他にありません。
対して民主はたった2ヶ月前に突然立候補するような議員未経験者がかなり増えました。
もちろん民主議員全員が未経験ではありませんが、いくら上層部が経験しててもその下が未経験ばかりでは政権運営が立ち行かなくなります。
失敗をする可能性もかなり高い。
そんなリスクのあるギャンブルを国単位で行うのは避けるべきだと思います。
本来は少しずつ新人議員とベテラン議員を入れ替えて経験と知識を培っていくべきです。

自民党の例として、新人ばかりであった小泉チルドレン。
結果として小泉チルドレンは大きな働きはできていなかったと思います。
単なる自民の議席確保のための駒と言われても仕方ないかと。

その二の舞を民主の新人議員がやるのは火を見るより明らかです。
ただ単に「民主党」という肩書きだけで、また中身の無い議員が増えてしまったことは、学習能力の無さを露呈しているようなものです。

国を一人の人間ととらえれば、『不景気・停滞感』と言う名の『病気』を、『自民』と言う薬でゆっくり治すのが体に優しい方法なのに、治りが遅いし効果があまり無いからという理由で『民主』という劇物に近い薬で急速に治そうとすると、副作用や違う部分での病気を発症します。
これは小泉政権のときの改革以上に痛みを伴います。
自民からばらまき批判のあった各種支援手当てで、最初のうちはお金をもらえる人が増えますが、基本的に増税なので、出て行くお金も多いです。
子育て等の未来がある支援が必要なところにお金を回すのは仕方ないとしても、その財源が所得税からとなると、かなりの増税です。
下手すれば自民の言ってた消費税10%よりも増税になります。

高速道路の無料化も、道路の補修費はどうなるんでしょう。
無料化すると、こないだのような地震で崩れた高速道路の補修はどこからお金が出るのでしょうか。
あたりまえですが私たちの税金ですよね。
よく高速道路を使う人からすれば無料化は嬉しいですが、その無料化した金額の補填分を高速道路を使わない人からも取るとなると全体的には増税です。

「財源は無駄を省けば必ず出てくる」と言っていますが、確かにその「無駄な部分」はあるでしょう。
でも具体的な調査は政権交代後ですよ?
もしそれほど無駄が無かったらどうするんでしょうか。
数年前の「偽メール問題」で党を挙げて「証拠はある!」と言い張ってて実は無かった・・・・つまりは党を挙げて嘘をついてた(証拠はあると望んでいた)ことがあったので、基本的に民主党が言うことは信用できません。

自民がダメ過ぎるからと言って、民主に変わっても大きく変わるとは思わないほうがいい。
むしろ悪化する部分も多いことをちゃんとわかった上で、今後の民主の対応を注視していきましょう。
そんなこと言われなくても分かってる!って方がほとんどですね、・・・すみません^^;

好むと好まざるとに関わらず、すでに民主が勝った事で日本の戦後のから続いてきた政治の歴史としては転換点であることには変わりない。
理由はどうあれ、政権を交代させたのは国民の一つの意思表示の成功と言えます。
決まったからにはその方向で最大限の期待をこめるしかないですしね。

願わくば、民主には政治の腐敗部分を徹底的に取り除いて欲しいものです。
腐敗さえなくなれば自然と他のことも良い方向に向かうはずですし・・・。

とはいえ、少なくとも今年いっぱいは行政の混乱は必至ですので、しばらくは静観ですね。
300議席ともなると、全体の意見をまとめることは不可能でしょう。
300人もいれば保守的意見や革新的意見が入り乱れるのは当たり前。
少しの間ならまとめていられるでしょうが、1年後には派閥化が始まって離党や内部分裂がかなりの高確率で起こりそうです。
しがらみがないってことは、逆にその分つながりが浅いので簡単に切れちゃいますしね。
16年前の細川内閣のときのように、政権交代後8ヶ月で首相辞任とか、小沢さんが内部分裂した半数を引き連れて新党結成とかにならなければいいですけどね・・・

今後4年間は政治が停滞すると思うぐらいの諦めの気持ちでいた方が精神的には楽です(駄

何年か後、良い意味で「このときの記事で書いたような民主への評価は間違いでしたごめんなさい」と言える様な世の中になって欲しいですね。