一つは「らき☆すた神社」としても有名な「武蔵国鷲宮神社」で、もう一つは東鷲宮の八甫(はっぽう)地区にある「武蔵国八甫鷲宮神社」(以後、八甫鷲宮神社)です。(「八甫」は「はっぽう」だと変換では出てこないです。「甫」は「ほ」で変換すると出てきます)
八甫鷲宮神社は前述のとおり、神楽殿があります。
昨年の記事『
鷲宮、八甫(はっぽう)の風景。八甫鷲宮神社〜幸手権現堂の曼珠沙華まつり』でも寄って見たことはあるのですが、普段は神楽殿は戸板で閉められているので、こうして中が見れるのも貴重な機会だったりします。
正確な開始時間は決まっておらずまちまちですが、だいたい午前11時頃〜午後3時頃までというのが目安です。
自分が到着したのは11時半頃。
『第11座 鎮悪神発弓靱負之段 (ちんあくじんはっきゅううつぼのまい)』が奉納されていました。
鷲宮催馬楽神楽には座ごとに意味合いがあります。
これは、諸々のたたりを鎮める神楽で、疫病が流行したときに、この演目が行われたと伝えられているそうです。
・・・ふむ、 最近は鳥インフルとかが騒がれていますからねぇ・・・。
私は何度か武蔵国鷲宮神社の神楽奉納は見ていますが、今回の八甫鷲宮神社での奉納は初めてだったりします。
2年ぐらい前から存在は知ってたのですが、仕事やらなんやらで行けずじまい・・・。
今回ようやく来ることができました。
いつもと場所が違うためか、新鮮に感じられました。
第11座が終わるとお昼休憩の時間。
その時間を利用して境内もいろいろ撮影。
拝殿も普段は閉められているので、こうして中を見れるのは初めてだったりします。
午後になると再び奉納が始まりました。
これは「第9座 五穀最上国家経営之段 (ごこくさいじょうこっかけいえいのまい)」ですね。
何度か神楽を見ていると、お面の種類や登場する人物の組み合わせで何の舞なのかが分かってきます^^
これは、五穀が豊かに実り、国が豊かに栄えることを願う舞らしいです。
これから田植えの時期ですから、豊作を願ってのことでしょうか。
ちなみに鷲宮催馬楽神楽の演目は、基本となる12座と、その他に3座があり、こうした奉納の際は当日その中から舞う内容が決まるようです。
なので私もまだすべての舞は見たことがありません^^;
コンプリートするには毎回見に行かないと難しそうですねぇ・・・。
そうこうしていると端神楽 (はかぐら)へ。
その他の3座に分類される端神楽は、白幣と鈴を持った巫女の舞です。
主に、演目と演目の間に舞われ、舞台を清める意味合いがあるらしいです。
小さい子が頑張っているので、見守りたくなります(*´ω`)
小さい子が舞う演目といえば、次に奉納されていたこちら。
「第8座 祓除清浄杓大麻之段 (ばつじょうしょうじょうおおぬさのまい)」。
神話「ミソキ」を題材にしたもので、心身を清浄にし、身の過ちを改めなさいという教えをあらわしたものらしいです。
う〜む・・・、「らき☆すた」では神社の娘という設定の「かがみ」や「つかさ」も、もしかしたらこんな感じで神楽を待っていたのかも・・・と思うと、なんか余計に神聖なものに思えて妄想が膨ら・・・おっと心身を清浄せねば(;´ヮ`)
何気にこの舞は今回初めて見れたので、また一つコンプリートへ近づきました^^*
続いての舞はこちら。
「第4座 降臨御先猿田彦鈿女之段 (こうりんみさきさるたひこうずめのまい)」。
この演目は、「天孫降臨」の神話を題材にした、五穀豊穣、国家安穏を祈るおめでたいもの。
鷲宮催馬楽神楽の中でも比較的動きが激しい演目で、足を大きく振り上げる姿は迫力があります。
その分、動きのある神楽を綺麗に撮るというのは結構難しい^^;
そして、本日最後に奉納されたのは、この八甫鷲宮神社だけで舞う特別な演目です。
「外 天津国津狐之舞 (あまつくにつきつねのまい)」と呼ばれている演目で、狐の面(天孤と地孤)をつけた2人と、ひょっとこの面をつけた人の3人による舞。
善い行いを勧め、悪をこらしめることを表している演目とのこと。
一度外へ出た神楽が逆輸入されてこの八甫鷲宮神社に伝わった舞のため、本家「武蔵国鷲宮神社」で舞うことはなく、ここ限定の演目になっています。
そのため、他の鷲宮催馬楽神楽と比べて雰囲気が少し違う、明るい感じの演目です。
ひょっとこのお面というところからも、雰囲気がわかりやすいかと^^
この演目はここでしか舞うことのない貴重な神楽なので、この時ばかりはこれを逃したら1年待たなくてはいけない・・・という気持ちで集中して撮りました。
演目の途中で、神楽を見に来た人に紅白餅を振舞う場面がありました。
こうゆうのは本家にはないので、八甫鷲宮神社らしい光景です。
私もちゃっかりもらっちゃいましたヽ(´ー`)ノ
こうゆうのは縁起物っぽくていいですねぇ。
いいもの見れて、いいものゲットして充実した1日でした。
地元鷲宮でも意外と知られていない穴場な行事ですが、意外だったのが、地元の人以外にも初見の人も来ていて、写真を撮っている最中に「今から始まりますか?」とか「あといくつ舞うか分かりますか?」等、質問されました。
あと、小学生高学年ぐらい(もしくは中学生ぐらい?)のお子さんが熱心に神楽の写真を撮ったりしていました。
どうやら神楽が大好きらしく、毎回見に来ているとのこと。
大人に混じって神楽のことを熱く語ってました。
その歳で民俗芸能に興味を持つとは・・・、末は歴史学者か郷土研究者か・・・と思わせる末恐ろしい・・・いや将来が楽しみと言うべきかw
神楽を舞う側もそうですが、神楽を観る側も自分より若い世代が出てくると、なんか安心しますね。
こうゆうことが増えていくといいですねぇ。
重要無形民俗文化財の指定をうけた神楽の、さらに穴場な神楽・・・。
興味を持たれた方は、一度足を運んでみてはいかがでしょうか^^
土師一流催馬楽神楽保存会の公式ホームページ
八甫鷲宮神社の所在地はこちら(*´ω`)っ
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