2015年の2月14日は土曜日ということもあり、平日だと仕事などで来ることが出来ない人も来れることもあって、自分が以前見に行ったときよりも人が増えてました。
神社前の門前通りも渋滞していました^^;
初詣などで混む1月ならまだしも、2月になっての渋滞を見たのは始めてかも。
上の画像は終わる直前でしたが、午前中の昼直前頃は結構人いました。
鷲宮神社の拝殿前では、厄除福豆授興所が設けられていました。
福豆を買ったりお賽銭を入れたりすると・・・
「鬼は〜外 鬼は〜外 福は〜内」と言って豆撒きしてくれます。
もちろん福豆を買ったので私も豆撒きてもらいました(*´ω`)
鷲宮神社の厄除福豆・・・ご利益ありそう('¬'*
年越祭は鷲宮神社の祭事ですので、神楽の奉納も行なわれました。
鷲宮神社の神楽は、「鷲宮催馬楽神楽(わしみやさいばらかぐら)」(正式名称:「土師一流催馬楽神楽(はじいちりゅうさいばらかぐら)」と呼ばれ、関東神楽の源流とされ、国指定の重要無形民俗文化財に指定されています(wiki調べ
神楽のことをよく知らない人向けに、かいつまんで簡潔に解説していきます。
一部は人づてに聞いた内容もあるので、だいぶ大まかになっていますがご了承ください。
鷲宮催馬楽神楽は、現在12座(番外などを含めるとさらに3つ)あり、それぞれが五穀豊穣や子孫繁栄、国家安穏などを願って神様に奉納されます。
神楽殿が鷲宮神社拝殿の真正面なのもそのため。
各演目はそれぞれ時間もかかるので、一度の奉納で舞う神楽の種類も限られており、基本的に毎回12座の中からいくつかが選ばれます。
今回の演目は以下の通り↓
初座と第2座以降は順番も決まっていないので、メモを取っておかないと混乱しやすい^^;
後で撮った写真から確認していたのですが、土師一流催馬楽神楽保存会のツイッターが出来たおかげで、後からでも奉納した順番や、次回の奉納予定なども確認しやすくなったので助かります^^
初座と第2座は動画撮影していて、写真では撮っていないので今回は割愛いたします。
初座は文字通り最初に舞う神楽で、この日舞う神楽の安全を祈願する意味もあります。
第2座は清めの舞の意味もあり、これから舞う神楽の前の準備のような意味合いなのかもですね。
続いて、第九座「五穀最上国家経営之段(曲目名通称:種蒔き)」(ごこくさいじょうこっかけいえいのまい)
この曲目は、五穀が実り、国が豊かに栄えることを表した舞いです。
曲目名の通称通り、種をまく場面があります。
国家経営=国づくり。国家安泰のためには、まず農業(種をまくところ)からということですね。
各神楽の合間には「端神楽(はかぐら)」の舞いがあります。
小学生ぐらいの子が巫女として舞います。
これは12座の中には入っていないもので、各12座の合間に舞台を清めるものだそうです。
第八座の「祓除清浄杓大麻之段(曲目名通称:杓舞) 」(ばつじょしょうじょうしゃくおおぬさのまい)
神話「ミソキ」を題材にしたもので、心身を清浄にし、身の過ちを改めなさいという教えをあらわしたものらしいです。
杓と扇と鈴を持った小学生の女の子が巫女さんになって二人で舞います。
全国的に見ても、少女が神楽を舞うというのは珍しいものらしいです。
毎回思いますが、小さいのにしっかり舞えていてすごいなぁと思います('-'*
端神楽は割愛しまして、第七座の「大道神宝三種神器事之段(曲目名通称:三種神器) 」(だいどうじんほうさんじゅじんぎわざのまい)
国を鎮め、守る神楽で、三人で舞います。
三種の神器といえば、聞いたことがある人も多いと思います。
「八咫(やた)の鏡」、「八坂の勾玉」、「草薙の剣」の三つですね。
鈴と剣を持った千歳面の舞人
鈴と宝珠を持った翁の面の舞人
鈴と鏡を持ったイワナミの面の舞人
それぞれが舞うことで三種の神器で天下を治めるということを表しているということでしょうか。
第五座の「磐戸照開諸神大喜之段(曲目名通称:岩戸)」 (いわとしょうかいしょじんだいきのまい)
須佐之男命の乱暴に怒って天の岩戸に隠れてしまった天照大神を外に出すために、岩戸の前で鈿女命が踊り、楽しく大笑いする神々の笑い声を聞いた天照大神が興味を持って岩戸を少し開けたところを手力男命が引っ張り出した・・・という、有名な神話「天の岩戸伝説」に関する舞いですね。←だいぶ説明を端折ってますが^^;
五十鈴に青弊と麻をつけた榊と鈴を持った小学生の女の子二人が鈿女命の役で、扇の面をつけた舞人が、天照大神を天の岩戸から引き出した手力男命なのだそうです。
再び世の中が明るくなったことへの喜びの舞を表しているそうです。
この日の最後が、第六座の「八州起源浮橋事之段(曲目名通称:浮橋)」 (やしまきげんうきはしわざのまい)
八州=沢山の島=日本を表し、その起源=国生みの神話を題材とした、子孫繁栄と開運などを祈る舞で、人々の喜びのはじまりを表したありがたい神楽なのだそうです。
イザナギ(男神)の面と、イザナミ(女神)の面をつけた二人による舞。
中央に置かれた橋は、イザナギとイザナミの神様が天上から地上に降り立つときの天浮橋で、そこから日本列島を作ったという話ですね。
この第6座ですが、なかなか見る機会にめぐり合えなかったのですが、今回初めて見れました^^
帰り際に、福豆が撒かれた鷲宮神社の参道をパシャリ。
こうゆう光景が見れるのもこの日だけですね〜('-'*
保存会の人のお話にもあったのですが、鷲宮中学校には「郷土芸能部」という神楽保存のための部活があり、最近はその部活をしていた卒業生も手伝っているとか。
それでもまだまだ神楽の保存していくためには十分とはいえないのが現状のようです。
昨年、土師一流催馬楽神楽保存会の会長でした針谷さんが亡くなられましたが、これまでの針谷さんが尽力していた鷲宮催馬楽神楽を継承していくの努力が、こうした中学生などの若い人にも広まって鷲宮のみならず、日本の文化財としても長く続いて欲しいものですね。
私に出来ることといえば、こうゆう無形文化財が鷲宮にあることを、こうしてブログになるべく分かりやすく書いて、たまたま見てくれた人に知ってもらうことぐらいしかできませんが、一人でも興味を持ってくれる人がいて、今度見に行ってみようとか思ってもらえれば幸いですね。
土師一流催馬楽神楽保存会サイト